ストーリー01

南部せんべいの
未来を描け!

青谷 耕成

株式会社小松製菓 執行役員 営業統括部長

迷い続けた20代。
辿り着いた二戸。

 20代は、迷いの真っ只中にいました。東京の大学で電気工学を学んだものの、華やかなマスコミに憧れたり、好きだったファッションの世界で働いたり、親を安心させようと公務員を目指してみたり…。これからどこを目指していけばいいのか、自分でもよくわからなかったんです。ホテルの設備管理の仕事を紹介されたのは、そんな時でした。転職先である岩手県八幡平市のホテルで、最終的に任されたのはショッピングプラザの店長。昔から図工と美術が得意でしたから、手づくりの飾りで商品をディスプレイしたり、業者さんと組んでオリジナルのお土産品を開発したり。アイデアや工夫が功を奏し、店長になって半年で東日本ナンバー1、一年で全国ナンバー1の売り上げを達成。次の目標は何にしようか…と考えている時、当時の取り引き先だった小松製菓の課長に入社を誘われたんです。ホテルマンから、営業マンへ。本社のある二戸が配属先でした。

青谷耕成さん

迷い続けた20代。辿り着いた二戸。

 20代は、迷いの真っ只中にいました。東京の大学で電気工学を学んだものの、華やかなマスコミに憧れたり、好きだったファッションの世界で働いたり、親を安心させようと公務員を目指してみたり…。これからどこを目指していけばいいのか、自分でもよくわからなかったんです。ホテルの設備管理の仕事を紹介されたのは、そんな時でした。転職先である岩手県八幡平市のホテルで、最終的に任されたのはショッピングプラザの店長。昔から図工と美術が得意でしたから、手づくりの飾りで商品をディスプレイしたり、業者さんと組んでオリジナルのお土産品を開発したり。アイデアや工夫が功を奏し、店長になって半年で東日本ナンバー1、一年で全国ナンバー1の売り上げを達成。次の目標は何にしようか…と考えている時、当時の取り引き先だった小松製菓の課長に入社を誘われたんです。ホテルマンから、営業マンへ。本社のある二戸が配属先でした。

エピード

南部せんべい×チョコレート
コラボで需要を開拓せよ。

 小松製菓には全国に販路を持つ「南部せんべいの巖手屋」というブランドがありますが、当時の戦略といえば味のバリエーションを増やすぐらい。売上を伸ばしていくためには、全く新たな市場をつくり出す必要がある。そう思って目をつけたのが、年間約5千億円と言われるチョコレートの市場でした。南部せんべいは60億円くらいでしたから、その市場は十分すぎるほど魅力的。しかも、チョコレートをきっかけにすれば、あまり南部せんべいに馴染みがなかった、子どもや若い女性も取り込むことができるはず。調べてみると、南部せんべいの裏側にチョコを塗った商品があったのですが、それはあくまでも、せんべいの範疇に留まったもの。もっと、画期的で、意外性のあるアイデアはないものか…。商品の考案のために、南部せんべいとチョコレートについて市場調査を行ったり、集めた情報をもとに、2つの共通点をまとめたり。そのうちにふと、せんべいを砕いてクランチチョコみたいにしたらどうだろうと思いついたんです。

南部せんべい×チョコレート
コラボで需要を開拓せよ。

 小松製菓には全国に販路を持つ「南部せんべいの巖手屋」というブランドがありますが、当時の戦略といえば味のバリエーションを増やすぐらい。売上を伸ばしていくためには、全く新たな市場をつくり出す必要がある。そう思って目をつけたのが、年間約5千億円と言われるチョコレートの市場でした。南部せんべいは60億円くらいでしたから、その市場は十分すぎるほど魅力的。しかも、チョコレートをきっかけにすれば、あまり南部せんべいに馴染みがなかった、子どもや若い女性も取り込むことができるはず。調べてみると、南部せんべいの裏側にチョコを塗った商品があったのですが、それはあくまでも、せんべいの範疇に留まったもの。もっと、画期的で、意外性のあるアイデアはないものか…。商品の考案のために、南部せんべいとチョコレートについて市場調査を行ったり、集めた情報をもとに、2つの共通点をまとめたり。そのうちにふと、せんべいを砕いてクランチチョコみたいにしたらどうだろうと思いついたんです。

青谷耕成さん
エピード

逆風から商品化へ。
伝統を守るために壊すんだ。

 社内の反発はすごかったですね。丸く、きれいなせんべいを焼くことを至上命題にやってきたのに、それを砕くんですから。「せんべいを壊すなんてけしからん!」と猛反対で、まさに孤立無援の状態。でも私には「南部せんべい」と「チョコレート」を混ぜることで、新しい需要を作り出せるという確信がありました。南部せんべいの伝統を壊すわけじゃない、むしろ守るために形を変え、販売のスタイルを変えるんだ!という強い気持ちで挑みました。ひとりでコツコツと試作品づくりに取り組む一方で、社長や上司にも粘り強くプレゼンを続け、一年後、ついに商品化が決定。発売プロモーションに関わる店頭ポスターやテレビCMも全部自分で手がけ、納得できるまでこだわりました。
 こうしてデビューした「チョコ南部」は、発売当初から、予想の10倍を売り上げる大ヒット商品として、瞬く間に市場を拡大していったのです。

逆風から商品化へ。
伝統を守るために壊すんだ。

 社内の反発はすごかったですね。丸く、きれいなせんべいを焼くことを至上命題にやってきたのに、それを砕くんですから。「せんべいを壊すなんてけしからん!」と猛反対で、まさに孤立無援の状態。でも私には「南部せんべい」と「チョコレート」を混ぜることで、新しい需要を作り出せるという確信がありました。南部せんべいの伝統を壊すわけじゃない、むしろ守るために形を変え、販売のスタイルを変えるんだ!という強い気持ちで挑みました。ひとりでコツコツと試作品づくりに取り組む一方で、社長や上司にも粘り強くプレゼンを続け、一年後、ついに商品化が決定。発売プロモーションに関わる店頭ポスターやテレビCMも全部自分で手がけ、納得できるまでこだわりました。
 こうしてデビューした「チョコ南部」は、発売当初から、予想の10倍を売り上げる大ヒット商品として、瞬く間に市場を拡大していったのです。

青谷耕成さん
エピード

新工場&店舗「2door」から
南部せんべいの未来を描け!

 「チョコ南部」は単にせんべいだけを割ったのではなく、会社の固定概念そのものを打ち砕き、変革の風を起こす商品となりました。二戸の出身ではない私だからこそ、こんな大胆なことができたのかもしれません。
 今、私は営業統括部長として、社内の3部門を引っ張っています。年間に何十種類も新商品が出る中で、ヒット商品もあれば失敗作もありますが、自分のモットーは「打席に立つ」こと。とにかくフィールドに出て、若い人たちに興味を持ってもらえるものを、どんどん提案していきたいと思うんです。
 昨年の10月には、見学や体験もできる「北のチョコレート工場&店舗2door(ツードア)」がオープンしました。「2door」は二戸という地名にかけた名前で、「南部せんべいとチョコレート」という二つの意味も込めています。チョコ南部で開拓した新しい市場をステップに、自分の夢をもっともっと描いていきたい。まだ誰も見たことのない新しい南部せんべいの未来を、切り拓いていきたいですね。

新工場&店舗「2door」から
南部せんべいの未来を描け!

 「チョコ南部」は単にせんべいだけを割ったのではなく、会社の固定概念そのものを打ち砕き、変革の風を起こす商品となりました。二戸の出身ではない私だからこそ、こんな大胆なことができたのかもしれません。
 今、私は営業統括部長として、社内の3部門を引っ張っています。年間に何十種類も新商品が出る中で、ヒット商品もあれば失敗作もありますが、自分のモットーは「打席に立つ」こと。とにかくフィールドに出て、若い人たちに興味を持ってもらえるものを、どんどん提案していきたいと思うんです。
 昨年の10月には、見学や体験もできる「北のチョコレート工場&店舗2door(ツードア)」がオープンしました。「2door」は二戸という地名にかけた名前で、「南部せんべいとチョコレート」という二つの意味も込めています。チョコ南部で開拓した新しい市場をステップに、自分の夢をもっともっと描いていきたい。まだ誰も見たことのない新しい南部せんべいの未来を、切り拓いていきたいですね。

青谷耕成さん
メッセージ
パーソナル情報

株式会社小松製菓

岩手県を代表する南部せんべい。二戸市に本社を置く小松製菓は昭和23年に個人営業で創業、同45年に株式会社化。藩政時代からの歴史ある南部 せんべいの伝統を守りつつ、新しい商品の開発を積極的に展開。クッキー タイプの「まめごろう」や「いかせんべい」など多彩な味を提供している。平成20 年には盛岡本店を改名した株式会社タルトタタンを設立、洋菓子の 分野へも進出。平成21年に登場した「チョコ南部」は細かく砕いた南部せんべいに厳選したチョコをコーティング。ユーザーのすそ野を広げている。

会社情報

〒028-6103 岩手県二戸市石切所字前田41-1/TEL:0195-23-4315/代表者:代表取締役社長 小松豊/設立:1970年4月/資本金:1,000万円/事業内容:南部せんべいの製造・販売、直営店(二戸本店、盛岡駅フェザン店)の運営/従業員数:269名

22の物語

メッセージ
パーソナル情報

株式会社小松製菓

岩手県を代表する南部せんべい。二戸市に本社を置く小松製菓は昭和23年に個人営業で創業、同45年に株式会社化。藩政時代からの歴史ある南部 せんべいの伝統を守りつつ、新しい商品の開発を積極的に展開。クッキー タイプの「まめごろう」や「いかせんべい」など多彩な味を提供している。平成20 年には盛岡本店を改名した株式会社タルトタタンを設立、洋菓子の 分野へも進出。平成21年に登場した「チョコ南部」は細かく砕いた南部せんべいに厳選したチョコをコーティング。ユーザーのすそ野を広げている。

会社情報

〒028-6103 岩手県二戸市石切所字前田41-1/TEL:0195-23-4315/代表者:代表取締役社長 小松豊/設立:1970年4月/資本金:1,000万円/事業内容:南部せんべいの製造・販売、直営店(二戸本店、盛岡駅フェザン店)の運営/従業員数:269名

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