争いごとは嫌いだし、怒られるのはもっと嫌い。できるだけミスをせず、無難に過ごせれば御の字。振り返れば僕は、いつも「堅実」な道を選んできました。小学校からやっていた野球でも、ゲッツーは取りに行かず、確実にアウトを取れるほうを選ぶ。失敗したらどうしようって、まず考えちゃうんですよ。そんなわけで、ずっと目指していた仕事も安定の公務員。方向転換したのは大学生の時ですかね。4年間、スーパーでレジ打ちのバイトをして、いろんなことを教わりました。なかでも心に残っているのが、レジで差異を出してしまった時に社員さんに言われた言葉なんです。「たかが100円でも、これを利益として出すために、たくさんの人がたくさんの努力をしている。いろんな苦労の積み重ねが、このお金の中に詰まっているんだよ」。この言葉は仕事をする上での大切な指針として刻まれたような気がします。それから小売業界への興味が強くなっていきました。