僕が生まれ育った八幡平市安代地区は、日本一のりんどう産地。実家もりんどうをメインに栽培する花農家で、ほかにシクラメンなど5種類くらいの鉢花を栽培しています。祖父の代には切り花のりんどうを専門に栽培していましたが、父親の代になって鉢花であるシクラメンの栽培を始めたのを機に、りんどうも鉢物に切り替えたんです。小さい頃から遊び場は、それら鉢花のビニールハウス。物心がつく前から、親を真似して、水やりや植え替えを手伝っていたそうです。あれは、僕が花の世話に面白さを感じ始めた小学生の頃でした。当時シクラメンといえばピンクや赤が一般的でしたが、ある日、父親が黄色の新品種を取り寄せて来たんです。しばらくして花が咲くと、ハウス一面、黄色に染まりました。「なんだ、これ!」と衝撃を受けました。自分もこんなインパクトのある花を咲かせてみたい。家業を継ごうと思ったのは、この体験がきっかけでした。