ストーリー13

安代のまちの、
花咲兄さん

八幡園芸/八幡 有城

僕の心を奪った、
黄色いシクラメン。

 僕が生まれ育った八幡平市安代地区は、日本一のりんどう産地。実家もりんどうをメインに栽培する花農家で、ほかにシクラメンなど5種類くらいの鉢花を栽培しています。祖父の代には切り花のりんどうを専門に栽培していましたが、父親の代になって鉢花であるシクラメンの栽培を始めたのを機に、りんどうも鉢物に切り替えたんです。小さい頃から遊び場は、それら鉢花のビニールハウス。物心がつく前から、親を真似して、水やりや植え替えを手伝っていたそうです。あれは、僕が花の世話に面白さを感じ始めた小学生の頃でした。当時シクラメンといえばピンクや赤が一般的でしたが、ある日、父親が黄色の新品種を取り寄せて来たんです。しばらくして花が咲くと、ハウス一面、黄色に染まりました。「なんだ、これ!」と衝撃を受けました。自分もこんなインパクトのある花を咲かせてみたい。家業を継ごうと思ったのは、この体験がきっかけでした。

僕の心を奪った、
黄色いシクラメン。

 僕が生まれ育った八幡平市安代地区は、日本一のりんどう産地。実家もりんどうをメインに栽培する花農家で、ほかにシクラメンなど5種類くらいの鉢花を栽培しています。祖父の代には切り花のりんどうを専門に栽培していましたが、父親の代になって鉢花であるシクラメンの栽培を始めたのを機に、りんどうも鉢物に切り替えたんです。小さい頃から遊び場は、それら鉢花のビニールハウス。物心がつく前から、親を真似して、水やりや植え替えを手伝っていたそうです。あれは、僕が花の世話に面白さを感じ始めた小学生の頃でした。当時シクラメンといえばピンクや赤が一般的でしたが、ある日、父親が黄色の新品種を取り寄せて来たんです。しばらくして花が咲くと、ハウス一面、黄色に染まりました。「なんだ、これ!」と衝撃を受けました。自分もこんなインパクトのある花を咲かせてみたい。家業を継ごうと思ったのは、この体験がきっかけでした。

八幡有城さん
エピード

最初の失敗で、
気付いたこと、学んだこと。

 高校卒業後は県立農業大学校に進学。その後父親に勧められ、福島の花農家で1年4ヶ月間研修を受けました。他の農家さんの知恵を学び、実家に戻ってからはずっとシクラメンの栽培を担当しています。最初の2年は、失敗しました。父親の反対を押し切って、研修時代のやり方や、関東に住む研修仲間に聞いた栽培法を新しく取り入れてみたら、7月に葉の様子がおかしくなった…。結果的に出荷はできましたが、出来が悪くて値段もソコソコ…。後で考えると、研修先や関東圏とは気候や環境が違うので、そのやり方をそのまま取り入れるのは無理があったんですよね。それでもこの頃はまだ強気でいられましたが、シクラメンの栽培数は約5000鉢。失敗したら大きな損害がでるとわかり、自分の浅はかさに気づきました。父親が新しいやり方を取り入れることに慎重なのは、経営者として「失敗できない」という重圧が常にあるから。それを理解できるようになってからは、上手くいかなかった理由を考察し、新しいやり方に挑戦する時には、少しずつ試験的に取り入れるようにしています。

最初の失敗で、
気付いたこと、学んだこと。

 高校卒業後は県立農業大学校に進学。その後父親に勧められ、福島の花農家で1年4ヶ月間研修を受けました。他の農家さんの知恵を学び、実家に戻ってからはずっとシクラメンの栽培を担当しています。最初の2年は、失敗しました。父親の反対を押し切って、研修時代のやり方や、関東に住む研修仲間に聞いた栽培法を新しく取り入れてみたら、7月に葉の様子がおかしくなった…。結果的に出荷はできましたが、出来が悪くて値段もソコソコ…。後で考えると、研修先や関東圏とは気候や環境が違うので、そのやり方をそのまま取り入れるのは無理があったんですよね。それでもこの頃はまだ強気でいられましたが、シクラメンの栽培数は約5000鉢。失敗したら大きな損害がでるとわかり、自分の浅はかさに気づきました。父親が新しいやり方を取り入れることに慎重なのは、経営者として「失敗できない」という重圧が常にあるから。それを理解できるようになってからは、上手くいかなかった理由を考察し、新しいやり方に挑戦する時には、少しずつ試験的に取り入れるようにしています。

八幡有城さん
エピード

成功も、失敗も、
必ず理由がある。

 毎日心懸けているのは、植物の「体調」をしっかり見ること。植物は人と同じで、見た目に異変が表れる。それを見逃さず、すぐに対処することが大切です。例えば、葉が黄色くなっていたら、植物にとってご飯である肥料が足りない証拠。逆に夏に根が腐りかけていたら、暑さで消化不良を起こしている可能性があり、肥料が多すぎる証拠です。美しいシクラメンを育てるには、葉の方向を1枚1枚手で変えていく「葉組み」や「葉分け」をする作業も欠かせません。とても手間がかかりますが、丁寧に世話をすることで、花も葉も隙間なく生え揃ったきれいな丸形の株ができるんです。花って、手をかけた分だけちゃんと応えてくれるから、面白いんですよね。だから。10月にハウスの花が満開になっているのを見た時は、何ものにも代えがたい嬉しさがあるんです。

成功も、失敗も、
必ず理由がある。

 毎日心懸けているのは、植物の「体調」をしっかり見ること。植物は人と同じで、見た目に異変が表れる。それを見逃さず、すぐに対処することが大切です。例えば、葉が黄色くなっていたら、植物にとってご飯である肥料が足りない証拠。逆に夏に根が腐りかけていたら、暑さで消化不良を起こしている可能性があり、肥料が多すぎる証拠です。美しいシクラメンを育てるには、葉の方向を1枚1枚手で変えていく「葉組み」や「葉分け」をする作業も欠かせません。とても手間がかかりますが、丁寧に世話をすることで、花も葉も隙間なく生え揃ったきれいな丸形の株ができるんです。花って、手をかけた分だけちゃんと応えてくれるから、面白いんですよね。だから。10月にハウスの花が満開になっているのを見た時は、何ものにも代えがたい嬉しさがあるんです。

八幡有城さん
エピード

このまちの未来に、
花を咲かそう。

 花と向き合う毎日は、一見同じように見えるかもしれません。けれど日々、小さな変化があります。その変化に気付けるかどうか、変化の理由を考えられるかどうかで、1年の成果が変わる。花は1年に1度しか育てられないですから、10年間育てても、回数で考えたらたったの10回。この道20年というベテランの花農家さんでも、たった20回しか育てていないわけです。しかも年によって気候や状況が違えば、同じ品質の花を育てることは難しい。だから、1年1年がとても大きなチャレンジなんです。このチャレンジを成功させるため、県内のシクラメンの生産者たちと年に数回集まったり、お互いのハウスをみてまわったりして情報交換し、常に技術の向上を目指しています。安代地区はりんどうの産地として有名ですが、いつか「安代といえばシクラメン」と言われるようにすることが僕の夢。それは、安代にまた新しい未来を咲かせることにもつながっているはずです。

八幡有城さん

このまちの未来に、花を咲かそう。

 花と向き合う毎日は、一見同じように見えるかもしれません。けれど日々、小さな変化があります。その変化に気付けるかどうか、変化の理由を考えられるかどうかで、1年の成果が変わる。花は1年に1度しか育てられないですから、10年間育てても、回数で考えたらたったの10回。この道20年というベテランの花農家さんでも、たった20回しか育てていないわけです。しかも年によって気候や状況が違えば、同じ品質の花を育てることは難しい。だから、1年1年がとても大きなチャレンジなんです。このチャレンジを成功させるため、県内のシクラメンの生産者たちと年に数回集まったり、お互いのハウスをみてまわったりして情報交換し、常に技術の向上を目指しています。安代地区はりんどうの産地として有名ですが、いつか「安代といえばシクラメン」と言われるようにすることが僕の夢。それは、安代にまた新しい未来を咲かせることにもつながっているはずです。

メッセージ
パーソナル情報

八幡園芸

八幡園芸は八幡平市安代地区で3代続く花農家。同地区ではりんどうが特産品で「安代りんどう」とよばれ、栽培面積・生産量・販売額で日本一を誇っている。八幡さんの祖父の代には切り花の「安代りんどう」を専門に栽培していたが、父親の代になってシクラメンを導入。シクラメンが鉢花であることから、りんどうも鉢物に移行した。現在栽培している花はすべて鉢花。両親、祖父母、妹の6人家族で栽培に取り組み、毎年りんどうを5万鉢、シクラメンを5千鉢前後出荷している。

会社情報

〒028-7657 八幡平市栗木田11-4/TEL:0195-73-2364/代表者:八幡博志/創業:1972年5月/事業内容:りんどう、シクラメン等の花き(鉢物類)の生産・販売

22の物語

メッセージ
パーソナル情報

八幡園芸

八幡園芸は八幡平市安代地区で3代続く花農家。同地区ではりんどうが特産品で「安代りんどう」とよばれ、栽培面積・生産量・販売額で日本一を誇っている。八幡さんの祖父の代には切り花の「安代りんどう」を専門に栽培していたが、父親の代になってシクラメンを導入。シクラメンが鉢花であることから、りんどうも鉢物に移行した。現在栽培している花はすべて鉢花。両親、祖父母、妹の6人家族で栽培に取り組み、毎年りんどうを5万鉢、シクラメンを5千鉢前後出荷している。

会社情報

〒028-7657 八幡平市栗木田11-4/TEL:0195-73-2364/代表者:八幡博志/創業:1972年5月/事業内容:りんどう、シクラメン等の花き(鉢物類)の生産・販売

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