お酒の世界に足を踏み入れたのは、東京の大学へ進学し、勉強そっちのけでバイトばかりしていたころ。当時は居酒屋で働いていて、かっこよくお酒を飲みたくてバーにも通いました。そこで仲良くなったバーテンダーに、ウイスキーのたしなみ方も一通り教わったんです。でも、その人が一番好きだったのは、じつは日本酒。改めて飲み始めるとすぐに夢中になってしまって…。それがきっかけで、地元に帰省した短期間を利用して南部美人でバイトも始めました。そこで初めて飲んだしぼりたての純米大吟醸は、林檎のようにさわやかな果実味で。その時の衝撃は今も覚えています。
自分の価値観を広げたくて、学生時代にはママチャリで日本を縦断。卒業後はフリーターをしながらお金を貯めて、夢だった海外へも行きました。イギリス、フランス、スペイン、東南アジアなど、様々な国でその土地の風土や文化を感じ、様々な人たちと出会う中で気づいたんです。言葉はわからなくても、美味しいお酒を前にすれば、通じ合うことができるということを。