子どもの頃から家電が好き。電気屋さんに行くだけでワクワクする。それが私のものづくりへの入り口です。高校生の頃にパソコンが登場して、「おもしろいものが出てきたぞ」と思いましたね。そんな興味から、大学、大学院では磁気工学を学び、磁性材料の電波・電磁波の吸収や透過について研究していました。わかりやすい例えで言えば、携帯電話にも磁性材料が応用されています。小さな本体の中に様々な機器が集約されている携帯電話は、電波を発する部分もあれば、電波を遮断しなければいけない部分もあるため、バリヤーのようなイメージで磁性材料が用いられているのです。当時は、PHSが世の中に出はじめたころで、これからどんどん携帯電話が世の中に広まっていく。その中で、自分の学んだ知識が生かせる、そんな可能性を感じていましたし、たくさんのユーザーに使われる家電製品に携わってみたい、そんな夢を持っていました。